国道で熊に遭遇  どうする順ちゃん危機一髪

6/7 晴れ

昨日は鈴木さん宅でお世話になった。私は風呂に入りに行って、すぐ家に帰ったが鈴木さんはなかなか帰ってこず一人で留守番をしていた。見ず知らずの人に鍵を預けて出かけていくとは信じ難いことだ。

帰ってきたのは深夜の2時を過ぎていた。明日は早く出発し早めに寝たかったが、私だけ勝手に寝るわけにはいかず遅くまで待っていた。いざ寝ようとしたら、なかなか寝付けずあまり睡眠は取れなかった。

5時過ぎに起床、出発の準備をして、あらためて鈴木さんにお礼をいって6時前にスタートする。まさかこんな事態になるとは夢にも思わなかった。「事実は小説より奇なり」というのはこんなことかもしれない。

本日の歩くコースは当初、知床周りで行くことにしていた。山越えの斜里コースは標津から60kmぐらいあり途中、宿泊するとこもなく、夜、山を歩くことになりそうなのであきらめていた。知床の方は距離的に50km以上長いが宿泊施設もあり、景色もよさそうなので決めていた。

ところが近くのコンビニで朝食をして買い物をした後に知床峠のことを聞くと、知床の方は今年は冷夏で山に食べ物がないので熊が多く、国道まで平気で出てくると言って話してくれた。

又、昨日、帯広の方で山菜取りの女性が熊にやられたと言う話もしていて、今年は熊がどこも多く、特に知床峠の方が危ないと言っていたので、急遽、コースを変更して斜里コースの山越えに変更した。

なるべく夜は山歩きをしたくないので今日は朝からペースを上げて歩く事にした。斜里の分岐店までの約5kmを40分のハイペース出歩いた。国道を左折して244号の斜里国道に入る。

しばらく歩いていると道路の横の小屋で男の人が溶接をしていた。朝早くから働いているなと思っていたら、家の方からガラガラと戸が開き「ごはんだよー、ごはんだよー」と大きな声で奥さんが叫んでいた。どこにでもある光景だなと思い、家を思い出してしまった。

途中、お年寄りの方が散歩をしていた。よく見ると鈴をつけて散歩しているではないか。地元の方でも鈴をつけ熊対策をしているのだ。これはやばいと思い、山に入った時は紐に空き缶をつけてガラガラと武蔵号で引っ張って歩こうと思った。

空き缶ならどこにでも落ちていると思っていたが、いざ拾うと思ったら、缶はなく2個拾うのに2時間もかかってしまった。良いことではあるが。缶は中間を少し凹ませ紐を結びやすいように加工してリヤカーに入れていた。

この道は直線の道が水平線まで続いているように長く伸びていて本当に飽きてしまうほどだ。いくらい歩いても景色は変わらず気分がめいってしまう。

10時過ぎから小さな虫の大群が襲ってきた。叩いても、追い払っても一向に逃げず、顔や手や耳に寄ってくる。俺は「うんこ」では無いんだ寄ってくるなと言っても、効果はなし。虫が「あなたは臭くて汚いのでうんこ並ですと」言っているのかも知れない。

11時前、少し下りの道にさしかかる。100m位の先方に道路の中で動いているものがいた。よく見ると茶色の動物がノソノソと道路の中を移動している。鹿なら車が通ればすぐ逃げるはずだし、もしかして「熊」ではないかと思った。

朝、おやじさんが言っていた「熊が平気で国道に出てくる」と言う言葉を思い出した。これはやばいと思い進めなくなった。車を停めて聞こうと思ったがなかなか止まってくれないし、やっと止まってくれたと思っても見て無かったと言う 車が多く、不安がつのる。

熊はいっこうに道路から去ることもなく、相変わらず、のそのそと動きまわっている。20分以上待ったが進展はなく、どうしようかと思案した。軽トラックでも止まれば、その箇所だけ乗せていって貰おうかと思ったが、車はほとんど通らないし、諦めた。

20分位したら熊は熊笹の中に入っていった。しかしいつ出てくるか分からないので、その横を歩くのは勇気がいる。しかし、このままでは何も進展しないので一大決心をして進むことにした。先ほど準備したコーヒー缶2個を紐で固定して武蔵号の後ろに縛り「ガラガラ」言わせて歩くことにした。

名前は「実用新案、ジョージア2連式クマヨラーズ」と命名した。もし熊が出て来たら、どうしようかと不安な気持ちで恐る恐る歩いた。「ガラガラ、ガラガラ」といわせながらどうにか無事にその場を通り抜けられた。もし熊が出て来ていたらと思うと、ぞーとした。命がけの究極の歩きだった。

しばらく歩くと今度は超横綱級の峠が待ち構えていた。登り坂が急で永遠に坂が続いているように長く、峠の上に付くまで2時間以上かかった。もうクタクタだ。しかし、早くこの山道を抜けないと山道の途中で暗くなってしまう。

途中宿泊するところもないので明るいうちに歩き抜けるしかない。下りは超ハイペースで坂を走るように下っていった。時速7kmぐらいだ。どうにか暗くならないうちに平地に出ることが出来た。

斜里の町まであと2kmのところに来たときに、「緑こうぼう斜里」と言うきれいな公園があった。公園の屋根つき小屋の下に洗濯物を干した自転車のチャリダーが居たので行って見ることにした。

テントがどこかで見たような色で段々近づいていくと、見覚えのあるジャンバーを着た男が居た。日本一周人のあの栃尾さんだった。てっきり網走の方まで進んでいると思っていたが、こんな所にいるとは夢にも思わなかった。

最初、私が「何か見覚えのあるジャンパーを着ている人がいますね」と言いながら近づいていくと「もしかして中村さん」とびっくりしたような声で言った。その後 「早すぎるよ本当に」と何回も言いながら笑って迎えてくれた。

今回で3回目の出会いだ。自転車と徒歩の日本一周人が偶然に3回も会うなんて奇跡に近い出来事だと思った。栃尾さんはあまり距離に拘らず好きなところに行って自転車の旅を楽しんでいて、料理も大半が自炊でのんびりとしている。

私は写真を撮るがそれ以外は黙々と歩くタイプなので、3回も出会う事になった。お互い旅の苦労話や楽しかった事等を話し交友を深めた。

朝は鳥の声で目が覚め贅沢な朝だなと思った。朝食は栃尾さんの手料理でハムエッグと味噌汁にパンをご馳走になった。


                  今日の写真


                  残雪
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                  深山
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                  峠の道
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                 原生林
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                 何の足跡?
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                  クマヨラーズ これで命拾いをした
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                 斜里公園のキャンプ
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                手料理中の自転車おじさん                  
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by musashigaiku | 2010-06-07 13:29  

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