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何もない道

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昨日の道の駅だいきは24時間開放の部屋で畳のスペースもありラッキーだった。18時ごろ、ベンチでブログの更新をしていたところ、突然 「こんにちは」と声をかけられた。

顔を上げて見ると20歳前後の若い男で 「野菜売り場で写真を撮っていた方ではないすか・・・」と少し笑いながら彼は言った。

突然のことで思い出せず、しばらく考えていたら思い出した。「あの小屋の中で競馬の話しに夢中になっていた方ですか」と言うと、「そうです」と言ってて照れくさそうにうなずいた。

「あれから2週間位でよくここまで来れましたね」と言って感心したような顔で言った。「襟裳岬で足止めを食って半日潰しましたが、どうにかここまで来れました」と私は言った。まさかこんな所で再会するなんて縁と言うものがつくづく不思議だなと思った。

彼は元々は東京の方で北海道と馬が好きで一度、牧場で働いていたが、事情があって帰り、どうしてもこちらに住みたくて一人で又、来たと言っていた。なかなかの好青年で若いのにしっかりとした自分の考えを持っていて頼もしく思えた。

馬の写真を撮るのが好きらしく、写真についいて時間のたつのを忘れるぐらい色々な話をした。別れ際に「応援しています頑張って下さい」と言って手を上げて去っていった。

道の駅、6時スタート、歩いてまもなくコンビニがあったので今日はスパゲティーを食べる。この道の駅は本来の336号線から少し外れているので、元の道に戻らなければいけない。

単調な道を1時間位かけて336号に戻った。336号は別名、南十勝夢街道と言う名前がついている。なにが夢街道なのか分からないが本当に何も無い所でコンビニ、商店、おまけに自動販売機までなくて大変なところだった。時折牧場が点在しているぐらいで人気も全くない。

道の左側は原生林で右は熊笹、白樺、雑木があり、同じような風景が永遠に続いている。今日はカメラの入ったリュックは最初から武蔵号に背負わせた。おかげでこちらは楽だが、武蔵号はぶつぶつ言っているかも知れない。

今日の宿泊は野外テント泊になるだろうと思っていたが、テントを張る場所が見あたらない。北海道は熊がいるので野外に張るのも勇気がいるのだ。先日、山菜取りで山に入った方が熊にやられたとテレビ放送されていたのでなお更だ。

いくら私が空手初段でも熊には到底勝てない。行けども行けども何もなく困ってしまった。取り合えず水がないと夕飯も食べられない。道沿いに1軒、牧場があったので水を貰いにいく。

チャイムを鳴らすと80歳ぐらいのおじいさんが出てきた。「歩いて旅をしているものですが水を分けて貰えませんか」と言うと「いよと」と言ったのでペットボトルを2本渡した。

水を入れて来てくれたので、「よかったら、雨露がしのげれば良いので、どこかにテントを張らしてもらえませんか」と聞いてみた、すると「裏の牛舎に息子夫婦がいるので、そこで聞いてくれ」と言った。

「何処から来ましたか」と言うので「九州から歩いて来ましたと」と言うと、「これは驚いた、これは驚いた」と何度も言って眼を丸くしていた。

牛舎に行くと、いきなり犬が吼えながら、いまにも飛びかかりそうな勢いで飛んできた。「すいません」と大きな声で叫ぶと息子さん夫婦が出て来た。事情を説明してテント泊の件を言うと「それはいいんだけど、この犬は触らない限り大丈夫ですから」といって仕事にもどった。

何処でテントを張ろうかと探していたら半壊状態の納屋があった。中には壊れたベットやテレビ、その他、雑品が乱雑に置かれていた。

どうにかテントを張れそうなところがあったので、武蔵号を中に入れて食事の準備をした。食事と言うより、ただコンロで湯を沸かしラーメンを食べるだけだが。缶詰めをおかずにして食べた。

テントの張る場所は窓が割れドアがなく、外の外気がそのままはいって来る所で非常に寒そうだった。テントを張って寝袋に潜り込むと以外に暖かかった。これなら寝れると思ったが甘かった。

夜が更けるにつれて急激の温度が下がり、ギンギンの寒さになってきた。又、牛が騒ぐと熊が来たんではないかとびくびくした。これでは寝れるわけが無い、泊めれる所があるだけでもありがたいと思い、シュラフの中で寒さにで震えながら朝を待った。



                 今日の写真



                  白樺林
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                   きれいだけが写真ではない
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              下の方に緑の草があるのが気にいった
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                 晴れた日
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                天気が良いので牛も気持ちがよさそう
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               思わずシャッターを切った
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                  牛の牧場
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by musashigaiku | 2010-06-01 02:34  

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